院長コラム

院長コラム

日々の出来事や季節の移り変わり、病院周辺の事など、院長コラムとしてご紹介します。このコラムを通じて、くさか整形外科や私の事をより多くの方に知っていただければ幸いです。

院長コラム一覧

自在置物

写真の昆虫は本物に見えますが、実はこれは全て作りものです。
自在置物といって、金属で動物を作り、しかもその関節は自在に動かすことができるというものです。
これは江戸中期に明沈派の甲冑師によって創始され、明治になってからは京都の冨木家の工房で代々作製されて来ました。
一門最後の冨木宗行師の晩年に、弟子としてその技術を受け継いだのが満田晴穂さんです。
骨董品の自在置物はときどき目にしたことがありましたが、彼は現代のしかも42歳という若い工芸師です。
先日、生口島の平山郁夫美術館で作品展が開催されているので、行って来ました。
それはもう素晴らしい完成度で、かつての昆虫少年は狂喜乱舞です。
触ってみたい!動かしてみたい!と思いましたが、残念ながらもちろんそれはかないませんでした。
写真OKなのであちこち走り回って撮影して帰りました。

「雑居雑感」と「頁をめくる音で息をする」

一昨年の11月に『雑居雑感』という雑誌の創刊号を紹介しましたが、このたび第2号が発刊されました。
今号は向島の兼吉地区で昔ながらの技術を守っている製パン所と鉱泉所が紹介されています。
最近はサイクリストにも評判で、様々なメディアで紹介されていますが、本書では現在に至る物語がつづられており興味深く読ませてもらいました。
この雑誌は「古本屋・弐拾dB」という久保の路地裏にある古書店が発行しています。
このお店は夜の11時から夜中の3時までの間営業し(土・日は日中営業、木曜日は定休日)、日中は三軒家にある「ミリバール」というもう一軒の古書店を開いているそうです。
この古書店店長の藤井基二さんが「本の雑誌社」という出版社の「Web本の雑誌」に投稿した原稿をメインに、同社から『頁をめくる音で息をする』という本を出しました。
中原中也の詩を愛するかなり繊細な心の青年かと思いましたが、どっこい話好きでみんなに愛される方のようです。
夜中には行けませんので、一度週末にでも覗いてみようと思っています。

夏野菜のシーズンに突入

本日、やっと広島県にも梅雨入り宣言がありました。
昨年より1か月遅れ、一昨年とほぼ同じです。
ゴールデンウイーク前から始まった夏野菜の植え付け、種蒔きが終わり、一段落したところです。
野菜によって収穫時期は大きく異なり、キュウリ、ナス、ズッキーニ、オカヒジキなどはもう食卓を賑わせています。
まだ、冬野菜のジャガイモが沢山畑に残っていて、これから梅雨の合間を縫って収穫しなくてはいけません。
雨は嬉しいのですが、これからは毎日が草と病気と虫との闘いです。
また、同じ野菜ばかり沢山収穫するので、嫁さんはこれをいかに美味しく料理するかの闘いです。
心から感謝しています。

尾道水道の夜明け

先日、本当に久し振りに海釣りに行って来ました。
釣果は恥ずかしくて言えません。
だだ、キャビンに入らず寒さに耐えていると素晴らしい光景を目にすることが出来ました。
尾道水道の夜明けです。
恐らく尾道に住んでいる方でもこの光景を目にすることは余り無いのではないでしょうか。
釣りをする人間の特権です。

環境整備とシティークリーニング

今年も海釣りのベストシーズンがやって来ました。
しかし、悲しいことに今年は町内会長を引き受けてしまい、それどころではなくなってしまいました。
会議や行事が目白押しで、最近の日曜日は環境整備(溝掃除)やシティークリーニング(藤井川の草刈り)があり、さすがに責任者の私が放り投げて釣りにも行けませんでした。
釣りに行った仲間からはご覧のような写真がLINEで送られて来るので心中穏やかではありません。
とほほほ・・・

「第53回広島医家芸術展」観てきました

先日、広島県医師会館で会議があったので、少し早く行って「第53回広島医家芸術展」を観て来ました。
夕方なのでちらほらしか人がいませんでしたが、今年も私の作品が特別招待出品といっしょに会館入り口に展示されているので、大変恐縮してしまいました。
4月24日(日)まで広島県医師会館1階ホワイエにて展示していますので、広島に行くことがあればご覧になって下さい。
  
『野濶(ひろ)く雲瞑(めい)を争い、
 江空しくして雨未だ休(や)まず、
 程(てい)を問いて須らく馬に策(むち)うつべし、
 燈火湖頭に宿す』

雪の朝

一冬に何度かはこの温暖な尾道にも雪が積もりますが、昔に比べると随分減ったように思います。
しかし、前日の北風がとんでもなく冷たいと思っていると、朝は白銀の世界でした。
いつものように散歩に出ようとして、外階段が凍り付いていたので、ためらわず中止しました。
澄んだ空気とくっきり晴れ上がった空が素晴らしい朝でした。
西の空には月が皓々、東の空は美しいグラデーション、そして我が家の畑は一面の雪景色でした。

我が家のペット?

畑仕事をしたり果樹園で草刈りや剪定をしていると、どこから観察していたのか2羽の鳥がやってきます。
皆さんご存知のセキレイです。
尾を上下に忙しく動かすので別名「イシダタキ」とも呼ばれ、雌雄が仲睦まじくいつも一緒に行動するので中国では「相思鳥」とも呼ばれるそうです。
今まで私はセグロセキレイだと思っていたのですが、元来東日本に住んでいたハクセキレイが近年は西日本でも多くなったそうです。
今回よく観察すると、どうもハクセキレイのようですが、判別がとてもむつかしい。
「何か美味しい物はありませんか?」とすぐ手の届くところまで近寄って来て、なかなか可愛いものです。
全く私には警戒心が無いようです。

壱岐島

先日唐津に行った次の日に壱岐島まで足をのばしました。
壱岐島は九州と対馬の間の玄界灘にポツンと浮かぶ離島ですが、なぜか長崎県なのです。
あいにくの天候で10数mの風が吹き荒れましたが、船が大きいのでたいして揺れませんでした。
さざ波の立つ強風下の露天風呂に入った後は、荒れ狂う海を眺めながらシャンパンを飲むという得難い経験をすることができました。
観光はあまり期待していなかったのですが、壱岐は芭蕉の弟子である曽良の故郷であり終焉の地のため、その絶句の句碑があったり、島にある数百か所の神社の中でも由緒正しい「聖母宮」では宮司さんがわざわざ神殿の中まで案内して説明して下さったりしてとても興味深い時間を過ごすことが出来ました。
写真は「聖母宮」に昨年寄進されたコロナ退散を願う金の龍図です。

「五足の靴」と唐津「洋々閣」

明治40年夏、与謝野鉄幹、北原白秋らの青年文士達が約1か月間九州を旅した「五足の靴」という本があります。
その足跡を辿った森まゆみの「『五足の靴』をゆく~明治の修学旅行」という本を読んでいると、唐津に「洋々閣」という旅館があり、旅館もいいがそこの女将が素晴らしいということを知りました。
一度、唐津の中里太郎右衛門の陶房も行ってみたかったので、先日コロナが落ち着いているので行って来ました。
残念ながら、女将はご高齢のため現役を退かれていてお会いできませんでしたが、建物の雰囲気、おもてなし、料理など素晴らしい一夜を過ごすことができました。
とても古い旅館ですが、私のような高齢者にはホッとできる、また行ってみたい旅館でした。

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